子どもの将来が不安

知的障がいのある子どもがいるけれど私が認知症になったり、死んでしまった後子どもはどうやって生活していくのか不安。

田中秋子さん(仮名)68歳の場合

田中さんのお悩みポイント

  • 知的障がいのある子どもと二人暮らし。
  • 自分が支えられなくなった時、子どもがどのように生活していくのか?
  • 自分の老後も、頼れる身寄りがいないので、どうするか?

リーガルサポートおおさかに相談した田中さん

田中さん

息子は知的障がいがあって、今は私が通帳の管理とか役所の手続とかをしているのですが、私も高齢になったので、ずっと今のままというわけにもいきません。子どもの将来を考えて、ここにきました。

リーガルサポート
司法書士

わかりました。その場合、お子さんについて法定後見の申立てをして、後見人が財産管理を行うという方法が考えられます。

田中さん

日常生活が問題なく送れているとしても、成年後見制度を利用することはできるのでしょうか?

リーガルサポート
司法書士

そうですね、法定後見は3つの支援方法があって、ご本人の判断能力の程度によって、保佐や補助により、本人が1人でできない部分をサポートする方法もあります。

3つの類型で分けられる支援内容(目安)

補助類型
保佐類型
後見類型
補助類型
申立時に本人が選択した特定の法律行為の代理権や同意権・取消権によって支援します。
但し、補助人に付与される同意権・取消権の対象となる特定の法律行為は民法第13条第1項で定められているものに限ります。
  • ※「民法第13条第1項」下記参照
保佐類型
申立時に本人が選択した特定の法律行為の代理権や同意権・取消権によって支援します。
民法第13条第1項の行為については、当然、保佐人に同意権・取消権が与えられます。
  • ※代理権については別途申立をしなければなりません。
  • ※「民法第13条第1項」下記参照
後見類型
日常生活に関する行為を除くすべての法律行為を代わってしたり、必要に応じて取消します。
※民法第13条第1項の行為
1.貸金の元本の返済を受けたり、預貯金の払戻しを受けたりすること。
2.金銭を借り入れたり、保証人になること。
3.不動産をはじめとする重要な財産について、手に入れたり、手放したりすること。
4.民事訴訟で原告となる訴訟行為をすること。
5.贈与すること、和解・仲裁合意をすること。
6.相続の承認・放棄をしたり、遺産分割をすること。
7.贈与・遺贈を拒絶したり、不利な条件がついた贈与や遺贈を受けること。
8.新築・改築・増築や大修繕をすること。
9.一定の期間を超える賃貸借契約をすること。
田中さん

そうなんですね。
私が生きているうちは、あの子の面倒は私が見ようと思っていますが、私自身が後見人になることも可能なのでしょうか?

リーガルサポート
司法書士

可能ですが、候補者となる親族が高齢の場合、あまり選任されない傾向にあります。サポートが必要な場合は親と司法書士と、複数で後見業務を行うことも可能です。田中さんの死後には司法書士の後見人が子さんを支援します。

田中さん

わかりました。私の死後は司法書士の後見人さんにお願いするとして、私の今後の生活なのですが、頼れる身内もいませんし、あの子にも頼ることができません。私が認知症になったり、事故で寝たきりになったとしても、子どもの後見人になった人が私の生活も助けてくれるわけではないですよね?

リーガルサポート
司法書士

そうですね、方法としては、田中さんは今のうちに任意後見制度を利用する手もあります。

田中さん

私にも、後見人がつくのですか?私はまだ自分のことは自分でできますけど・・・

リーガルサポート
司法書士

はい、任意後見制度は、田中さんが将来認知症になったり、不慮の事故で寝たきりになった場合でも、田中さんとお子さんの生活を考えて財産管理をしてもらえるよう、将来の後見人になる人にあらかじめ依頼しておく制度です。

田中さん

それは、私がどこの病院に入るか、あと、あの子がどこで生活を送るかとかも、考えておく必要があるということでしょうか。

リーガルサポート
司法書士

おっしゃる通りです。
お子さんについては法定後見制度を利用して今から後見人が支援して、田中さん自身については、任意後見制度を利用して将来的に後見人が支援するという形になります。

田中さん

わかりました。
私がもしもの時、あの子には頼ることはできないので、任意後見は検討しておいたほうがいいと思いました。

リーガルサポート
司法書士

それと、死後のことについては、
遺言と、「死後事務委任契約」をされることもおすすめいたします。

田中さん

遺言…そうですね。
その、死後事務委任契約とは、何ですか?

死後事務委任契約について

死後事務委任契約とは?

死後委任契約とは、ご本人が死亡した後に、ご本人の希望する手続きを委任する契約をいいます。ご本人が死亡すると任意後見契約は終了しますので、財産管理の計算、引き渡しの事務などは任意後見人が行うこととなりますが、葬儀、埋葬、死亡届の諸手続き家財道具の処分、親族への連絡などの事務については任意後見人の事務の範囲外となります。そこで、これらを委任するのが死後事務委任契約です。


手続きの内容
役所への死亡届の提出、戸籍関係の諸手続き
葬儀・火葬に関する手続き
埋葬・散骨に関する手続き
不動産契約の解約・住居引渡しまでの管理
住居内の遺品整理
公共サービス等の解約・精算手続き
関係者への死亡通知
田中さん

そうですか、死後のことは任意後見人の事務の範囲外なんですね。
併せて検討しようと思います。
それでは、そろそろ時間がきましたので。

リーガルサポート
司法書士

田中さんが将来のことで安心できることを心から願っております。

田中さん

ありがとうございます。
今日のお話は今後の参考にさせていただきます。

田中秋子さん(仮名)68歳の場合まとめ

  • 法定後見を申し立てて、自分の死後の子の将来に備える
  • 自身(親)も任意後見契約を締結して自身の将来に備える

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成年後見制度について

成年後見制度とは、認知症や知的障がいのある方など、判断能力が不十分な方々を、法律面や生活面で支援する制度です。
後見人(本人に代わって財産管理や様々な手続きをする人)を選任することで、介護・福祉サービスや施設との契約、銀行との取引、各種費用の支払い、年金の受給など、暮らしに関わるさまざまな手続きをサポートできるようになります。
より詳しく知るには、こちらをご覧ください。

成年後見制度は大きく2つに分けられます。

  • 法定後見制度

    ご本人の判断能力が不十分な場合に 親族等が家庭裁判所に後見人等の 選任を申し立て、家庭裁判所が 後見人等を選任する制度です。

  • 任意後見制度

    ご本人の判断能力が不十分となる前に 事前にご本人が後見人を決めておく制度です。 後見人に与える権限もあらかじめ ご本人で決めることができます。