親のことが不安

離れて暮らす父が、最近物忘れがひどくなった。施設の入所となると自宅の売却を考えないといけないが、成年後見人が必要な状況だろうか?

鈴木花子さん(仮名)45歳の場合

お悩みポイント

  • 離れて暮らす父に安心して暮らしてほしい。
  • 施設に入所するには、実家を売却して資金を作る必要がある。
  • 父をどうしたら説得できる?

リーガルサポートおおさかに相談した鈴木さん

鈴木さん

父に会うたび、認知症が悪化しているような気がするんです。
ひとりで暮らしているので、徘徊とかはじめると本当に心配で。施設の入所を進めているんですが、父は頑なに今の家に住み続けたいって言うんです。家の売却も勝手にできないし。そこで成年後見制度をつかってなんとか施設で生活できるようにできないかと。どう思います?

リーガルサポート
司法書士

鈴木さんがお父さんのこと心配する気持ち、よくわかります。成年後見制度の利用を検討されているのでしたら、まず、お父さんが認知症によってどのくらい判断能力が低下しているか、医師の診断書で確認する必要があります。

鈴木さん

判断能力が低下していないと成年後見制度は利用できないと聞きました。その確認ですね?

リーガルサポート
司法書士

そうですね。それと、判断能力の低下の程度によっては、本人が後見制度の利用を望んでなければ、成年後見制度を利用できない場合があります。

鈴木さん

そうなんですか?
診断書は、精神科などで書いてもらうんですか?

リーガルサポート
司法書士

いいえ、かかりつけのお医者さんで大丈夫です。
判断能力の低下の程度で、支援内容もかわってきます。最終的に裁判所が3つの類型に当てはめて支援内容を決めます。図にするとこうですね↓

3つの類型で分けられる支援内容(目安)

補助類型
保佐類型
後見類型
補助類型
申立時に本人が選択した特定の法律行為の代理権や同意権・取消権によって支援します。
但し、補助人に付与される同意権・取消権の対象となる特定の法律行為は民法第13条第1項で定められているものに限ります。
  • ※「民法第13条第1項」下記参照
保佐類型
申立時に本人が選択した特定の法律行為の代理権や同意権・取消権によって支援します。
民法第13条第1項の行為については、当然、保佐人に同意権・取消権が与えられます。
  • ※代理権については別途申立をしなければなりません。
  • ※「民法第13条第1項」下記参照
後見類型
日常生活に関する行為を除くすべての法律行為を代わってしたり、必要に応じて取消します。
※民法第13条第1項の行為
1.貸金の元本の返済を受けたり、預貯金の払戻しを受けたりすること。
2.金銭を借り入れたり、保証人になること。
3.不動産をはじめとする重要な財産について、手に入れたり、手放したりすること。
4.民事訴訟で原告となる訴訟行為をすること。
5.贈与すること、和解・仲裁合意をすること。
6.相続の承認・放棄をしたり、遺産分割をすること。
7.贈与・遺贈を拒絶したり、不利な条件がついた贈与や遺贈を受けること。
8.新築・改築・増築や大修繕をすること。
9.一定の期間を超える賃貸借契約をすること。
鈴木さん

なるほど。今はひとりでスーパーで買い物できるくらいなんで、おそらく保佐か補助。補助の場合は、父に後見の利用に納得してもらわないといいけない。ということですね?

リーガルサポート
司法書士

そのとおり。
鈴木さん、まずは診断書と、お父さんにも事情を説明して、お互いの気持ちを理解し合っていくことが大切。ここをクリアにしてお話できればと思います。

鈴木さん

ありがとうございます。
父とよく話し合ってみます。

リーガルサポート
司法書士

お父さんとお話ができましたら、成年後見制度を前向きに検討いただけたらと思います。
より具体的な話をすすめる際は、鈴木さんの地域を担当する司法書士をご紹介いたしますので、ご連絡待ちしております。

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鈴木さんはお父さんと今後のことについて話し合った後、リーガルサポートおおさかに連絡し、司法書士の紹介を依頼した。後日、手続を進めるにあたって地元の司法書士が自宅に訪問することになった。

リーガルサポート
司法書士

はじめまして!
リーガルサポートから紹介を受けて担当させていただく司法書士です。
よろしくお願いいたします!

鈴木さん

よろしくお願いいたします。
早速ですが、家庭裁判所に申し立てるのに、これから準備することってどれくらいありますか?

リーガルサポート
司法書士

はい、ざっと下記のようになります↓
裁判所に提出する書類の作成は私が担当しますから安心してくださいね。

法定後見申立ての必要書類(大阪家庭裁判所の場合)

  • 申立書
  • 本人に関する照会書
  • 親族関係図
  • 財産目録及び収支目録
  • 候補者に関する照会書
  • 陳述書(欠格事由のないことを確認するもの)
  • 診断書
  • 本人の戸籍謄本(本人の本籍地の市役所等で取得)
  • 申立人の戸籍謄本(申立人の本籍地の市役所等で取得)
  • 候補者の戸籍謄本(候補者の本籍地の市役所等で取得)
  • 本人の住民票(本人の住所地の市役所等で取得)
  • 候補者の住民票(候補者の住所地の市役所等で取得)
  • 本人の登記されていないことの証明書(大阪の場合、大阪法務局本局でのみ取得可能)
本人に関する資料として以下のもの
  • 精神障害者手帳等本人の健康状態がわかる資料
  • 固定資産評価証明・土地建物登記簿謄本等本人所有の不動産についての資料
  • 通帳・株式の残高報告書等本人所有の金融資産についての資料
  • 生命保険証書等本人の生命保険・損害保険についての資料
  • 返済明細書等本人の負債についての資料
  • 確定申告書・年金決定通知書・給与明細書等本人の収入についての資料
  • 納税通知書・国民健康保険料等の決定通知書・家賃、施設費等の領収書等本人の支出についての資料

※上記印の書類については、裁判所が定めた書式により作成します。なお、必要書類は裁判所によって異なる場合がありますので、事前に申立てをする裁判所にご確認ください。

鈴木さん

はあ、みているだけで大変そうですね。
申立ては誰がやってもいいのですか?

リーガルサポート
司法書士

申立人になれるのは、本人か四親等内の親族と法律で定められているんです。なので鈴木さんが申立てをすることになります。私は、申立書の作成や面談の同行など、手続をサポートします。あと、申立てには費用がかかり、おおよそこのくらいになります。

法定後見申立ての費用

項 目 費 用
収入印紙(※後見類型の場合) 800円
収入印紙(※後見登記用) 2,600円
郵便切手代(※大阪家庭裁判所本庁の場合) 3,900円
戸籍、登記事項証明書等を取得する費用 約5,000円
診断書作成費用 ※診断書の依頼先によります。
鑑定費用(※大阪家庭裁判所の場合) 原則として5万〜10万円程度

鑑定費用は、裁判所によって鑑定が必要と判断された場合に発生します。申立ての約1割で鑑定が行われています。その他司法書士等に書類の作成を依頼する場合、報酬が発生しますが、事案によって報酬は異なりますので、詳しくは依頼先の司法書士にご確認下さい。

鈴木さん

…わかりました。
それと、後見人を誰にするかなんですが、私がなろうと考えています。
後見人の業務って、日々家計簿をつけるような感覚でいいのでしょうか?

リーガルサポート
司法書士

そうですね、年金の管理や生活費で支出したものなどをしっかりと明確にして、1年に一度裁判所に財産目録と報告書を提出します。人によっては、煩雑な業務で難しいと感じるかもしれません。また、不動産の売却や相続手続がある場合、そういったことも後見人の責任で行う必要がありますし、特に自宅を売却するとなれば、裁判所へ売却許可の申立ての手続もしないといけません。

鈴木さん

う〜ん、報告書かあ。
専門家にお願いしようとも思ったんですが、月々3万前後かかると聞いたことがあるので。それに…。

リーガルサポート
司法書士

それに?

鈴木さん

失礼ですけども…。知人から専門職後見人が横領した話を聞いて、財産はやっぱり私の方で管理した方がいいかと…。

リーガルサポート
司法書士

そうですか。そうおっしゃるのも無理ないですね。
あってはならない事件ですが、司法書士や弁護士も人間だから、そのようなことが起こり得ない仕組みを作ることが大切なんですね。
リーガルサポートおおさかでは、半年に1回、会員から業務報告の提出を求め、常に専門職後見人の指導・監督を行っています。家庭裁判所は年に1回、後見人の監督がありますが、それだけでは目が行き届かないところがないように、より細やかな監督を行っているのです。事件を未然に防ぐ為にも、きちんと監督し、場合によっては困難な業務をサポートする仕組みで、不正や不適切な業務を予防しています。私もリーガルサポートの会員として、成年後見制度を安心して利用いただけるようにしなければと、日々思っております。

鈴木さん

ごめんなさい。親身にお話聞いてくださるのに。
…わかりました。後見業務はやっぱり不安なので、司法書士の方にお任せしようと思います。
候補者としてお願いしたいのですがよろしいでしょうか?

リーガルサポート
司法書士

わかりました。
鈴木さんのお気持ち、尊重いたします。
それでは、申立ての書類を準備していきましょう。

鈴木さん

はい、ありがとうございます!

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鈴木さんと司法書士は後日、大阪家庭裁判所に向かい申立ての手続を終えた。
その後、家庭裁判所から郵便が届き、司法書士が後見人として選任された。鈴木さんと鈴木さんの父のご要望を汲み取り、鈴木さんの通いやすい老人ホームを契約することにした。自宅の売却、施設の契約、その他あらゆる手続を進めていった。当初、鈴木さんが願っていたお父さんが安心して生活できる暮らしが叶った。鈴木さんは、感謝の気持ちを伝えに後見人の司法書士事務所を訪問した。

鈴木さん

その節は本当にお世話になりました。
おかげで今は肩のにが少し降りて、ホッとした気持ちです。

リーガルサポート
司法書士

こちらこそ、私もホッとしました。鈴木さんと施設選びでいろいろありましたが最終的にお父さんが気に入ってくれて、本当に良かったです。

鈴木さん

ありましたね〜笑、そうなんです。以前は大阪市内は空気が悪いだ何だ言ってったんですが、すんなりOKだなんて。父は司法書士さんのこと相当気に入ってるのでしょうね!

リーガルサポート
司法書士

いえいえ、お父さん、初めてお会いした時からは考えられないほど穏やかになられたのでよかったです。

鈴木さん

そうですか…。
後見人になっていただいて、本当に感謝しています。

リーガルサポート
司法書士

とんでもないです。
後見業務はまだ始まったばかりです。これからお父さんが天国に旅立つまでご一緒させていただきますので。鈴木さん、これからもよろしくお願いしますね!

鈴木さん

こちらこそ、よろしくお願いいたします!

後見人の主な仕事

1.身上監護
被後見人の介護契約・施設入所契約・医療契約などについて代理します。被後見人の生活のために必要な費用を、被後見人の財産から計画的に支出します。
2.財産管理
被後見人の財産(預貯金・不動産等)を管理します。
被後見人の財産に関する法律行為を代理します。
被後見人の行った法律行為(例えば悪質リフォーム業者との契約等)を取り消します。
3.家庭裁判所への報告
後見人選任の審判が確定してから、1か月以内に被後見人の財産を調査し、財産目録を作成して、家庭裁判所に提出します。その後、上記1.2.の仕事の経過を概ね毎年1回、家庭裁判所に書面で報告します。
※後見人は原則として本人が亡くなるまで退任しません。

鈴木花子さん(仮名)45歳の場合まとめ

  • 法定後見の申し立てをリーガルサポートおおさか司法書士と一緒に進めた。
  • 家庭裁判所から司法書士が後見人に選任された。
  • その後、司法書士後見人が要望に沿い、自宅の売却、施設の契約を進める。
  • 父のことを支えるパートナーとして、司法書士後見人とのお付き合いがはじまった。

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成年後見制度について

成年後見制度とは、認知症や知的障がいのある方など、判断能力が不十分な方々を、法律面や生活面で支援する制度です。
後見人(本人に代わって財産管理や様々な手続きをする人)を選任することで、介護・福祉サービスや施設との契約、銀行との取引、各種費用の支払い、年金の受給など、暮らしに関わるさまざまな手続きをサポートできるようになります。
より詳しく知るには、こちらをご覧ください。

成年後見制度は大きく2つに分けられます。

  • 法定後見制度

    ご本人の判断能力が不十分な場合に 親族等が家庭裁判所に後見人等の 選任を申し立て、家庭裁判所が 後見人等を選任する制度です。

  • 任意後見制度

    ご本人の判断能力が不十分となる前に 事前にご本人が後見人を決めておく制度です。 後見人に与える権限もあらかじめ ご本人で決めることができます。